目次
- 1 ■印象に残るのは何?
- 2 ■一生懸命に話しているのにも関わらず聴き手に与えるのは苦痛
- 3 ■一切聴き手の頭に残らない挨拶
- 4 ■なぜ聴き手に伝わらないのか
- 5 ■カッコいいことを言うと伝わらない
- 6 ■普段使わない言い回しは伝わらない
- 7 ■自分の言葉で話さないと伝わらない
- 8 ■棒読みになる
- 9 ■ぎこちない話は伝わらない
- 10 ■なるべく日常使う言葉であいさつする
- 11 ■くだけすぎたらダメでしょ
- 12 ■誰のための式辞なのかを明確に
- 13 ■自分の言葉で伝える
- 14 ■それって一番伝えたいことなの?
- 15 ■一番伝えたいメッセージを最初に持って来る
- 16 ■どっちが心に残りますか?
- 17 ■最初のメッセージが心に突き刺さるとどうなるか
- 18 ■話を聴いてくれる
- 19 ■最初が肝心
- 20 ■聴き手へのプレゼント
■印象に残るのは何?
「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
お決まりの式辞のパターンです。
入学式、卒園式に式辞は欠かせません。
でも、印象に残ってるのって何?
■一生懸命に話しているのにも関わらず聴き手に与えるのは苦痛
お決まりのパターン、私的には激しく「は?」って言う感じ。
話し手の人から見たら、きっと、式辞を依頼されてから、一生懸命に原稿を考えて、練習を重ねて迎える本番なんだと思います。
「よし、晴れの舞台、カッコいい式辞を読み上げよう!」
こんな感じで、一生懸命に頑張って話しているんだと思います。
でも・・・、
聴き手に与えているのは苦痛。
話し手の側の思惑とは正反対で、聴き手に大きな苦痛を与え続けているんです。
「あいつの挨拶、なげーよ!」って。
■一切聴き手の頭に残らない挨拶
しかも、聴き手側からしたら、話し手が何を話したのかなんて、一切頭に残ってない。
話し手が、カッコよく話そうとすればするほど、聴き手の頭には何を話したのかなんて残らない。
式辞が終わった後に残るのは、カッコいい式辞の内容じゃなくて、
「あいつの挨拶、なげーよ!」なんです。
■なぜ聴き手に伝わらないのか
一生懸命に原稿を作って、一生懸命に練習して、一生懸命にカッコよく話した式辞。
なぜ、聴き手に伝わらないんでしょうか。
その理由を3点あげてみたいと思います。
■カッコいいことを言うと伝わらない
理由① カッコいいことを言うと伝わらない
カッコいい式辞のイメージはどんな感じでしょう?
「形式ばった話し方で、難しい言い回しをして、厳かな雰囲気を作る。」
こうイメージした人は、大ハズレ!
これじゃ伝わらないんです。
「あいつの挨拶、なげーよ!」って言われてしまいます。
■普段使わない言い回しは伝わらない
「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
は?
例えば「春光」。
文字で見ているから、「春光」は春の光なんだってすぐに理解できます。
でも、耳で聞くだけではどうでしょうか?
「しゅんこう」、「シュンコウ」、「SYUNKO」・・・?。
すぐにイメージできません。
聴き手は、頭の中でずっと「?」を抱えたまま、式辞を聞くことになります。
何となく「春光」ってイメージ出来たとしても、次々に来る難しい言い回しを理解しようとするだけで、ものすごい労力を使ってしまうことになるんです。
①「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
と、
②「春は出会いの季節、そんな入学式に、お祝いの言葉を送ります」
①と②、どっちが伝わりますか?
■自分の言葉で話さないと伝わらない
理由② 自分の言葉で話さないと伝わらない
「えー、本日は、」、「挙行されますこと」、「お祝い申し上げます」
この言葉、普段自分が使っている言葉ですか?
先ほどの理由①「普段使わない言い回し」に似ていますが、自分の話す言葉を使っていないと聴き手の心に伝わりません。
なぜか?
それは、心がこもらないからなんです。
■棒読みになる
普段使わない言葉を使うと、確かに知的に見えるしカッコいいと勘違いしてしまうかも知れません。
でも、自分の言葉ではない言葉は、棒読みになるんです。
■ぎこちない話は伝わらない
①「今日は入学式おめでとう、お祝いします。」
と、
②「えー、本日は、入学式が挙行されますこと誠におめでとうございます。お祝い申し上げます。」
どうですか。
①と②、どっちが言いやすいですか?
■なるべく日常使う言葉であいさつする
「今日は入学式おめでとう、お祝いします。」
これだったら、普段話す感じで、自分の言葉で伝えられると思います。
でも、
「えー、本日は、入学式が挙行されますこと誠におめでとうございます。お祝い申し上げます。」
これだと、いくら練習しても、原稿を棒読みしている感じになるんですね。
聴き手の心に突き刺すメッセージにはならないんです。
結果、「あいつの挨拶、なげーよ!」って言われてしまいます。
■くだけすぎたらダメでしょ
でも、大切な式だし、偉い来賓の方も参列してるし、くだけすぎたらダメでしょ。
そう言いたい気持ちは良く分かります。
でも、いくら難しく、厳かに話したって、聴き手に伝わらなければ意味がない。
■誰のための式辞なのかを明確に
来賓の偉い人向けの式辞なら、難しい言葉で、厳かに話すのもいいでしょう。
でも、入学式なら新入学生や保護者向け。
式辞を送る相手に伝わらなければ意味がないと思うんです。
■自分の言葉で伝える
新しい門出の入学式。
新入学生の皆さんにとって、一生に一度きりの入学式。
「あいつの挨拶、なげーよ!」って言う思いでになるか、「あの人のあいさつ、感動した」って言う思い出になるか。
式辞を述べるあなた次第なんです。
だったら、普段話す自分の言葉で伝えたいですよね。
■それって一番伝えたいことなの?
理由③ 伝えたいことを最初に持って来ないと伝わらない
「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
式辞の出だしのお決まりのパターン。
でも、これって聴き手に一番に伝えたいメッセージなの?
■一番伝えたいメッセージを最初に持って来る
人の話を聞いた時に、一番印象に残る部分は何ですか?
おそらく、最初に話す言葉だと思います。
だから、一番伝えたいメッセージを最初に持ってくる。
■どっちが心に残りますか?
①「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
と、
②「今日はスタートの日。同時に、人生の中で一番若くて、一番体力があって、一番可能性にあふれている時なんです。そんな入学式をお祝いして、メッセージを送りたいと思います。」
■最初のメッセージが心に突き刺さるとどうなるか
最初のメッセージが聴き手の心に突き刺さる。
そうなると、どうなるのでしょうか?
■話を聴いてくれる
そう、その後の話の内容もしっかり聴いてくれるようになるんです。
例えば、最初に
「春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、令和3年度の入学式が挙行されるにあたり、一言お祝いの言葉を申し上げます。」
ってやっちゃうと、
「あいつの挨拶、なげーよ!」って、なってしまう。
そうなると、後からどんなに良いことを話しても、「あいつの挨拶、なげーよ!」って聴いてもらえない。
結果、聴き手の心には何も残らないんです。
一方、最初に
「今日はスタートの日。同時に、人生の中で一番若くて、一番体力があって、一番可能性にあふれている時なんです。そんな入学式をお祝いして、メッセージを送りたいと思います。」
って始めると、
「どんな話が聴けるんだろう?」と、少なからず話に耳を傾けてくれるようになります。
結果、話し手のメッセージが聴き手の心にしっかり残る。
■最初が肝心
何でもそうですが、最初が肝心です。
挨拶系のスピーチ、式辞も、最初に聴き手の心をつかめるかどうかが成功できるかどうかの分かれ道。
だから、一番伝えたいことを最初に話す。
伝えたいことは最初に、鉄則です。
■聴き手へのプレゼント
聴き手の心に残る式辞のポイントを3点あげてみました。
あくまで、挨拶系のスピーチは聴き手へのプレゼントです。
聴き手の心を突き刺すメッセージを送れるかどうか、今回の記事が参考になれば嬉しいです。
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