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■やっちまったもんは仕方ない
この世に失敗をしない奴なんていない。
人間にはミスがつきものだから。
俺は、「たくさん行動して、たくさん失敗する」を激しく推奨している。
そうは言っても、でかい失敗をしてしまうと、取り返しのつかないことになったりして、かなりのピンチに陥ってしまうリスクもある。
特に、他人に大きな迷惑がかかってしまう失敗の場合、「やっちまったもんは仕方ない」で済まない場合が出て来るのも事実。
今回は、取り返しのつかない時の対策方法を紹介してみたい。
■ピンチをチャンスに変える
でも、よく考えてみると・・・、
誰かに迷惑をかけてしまうような失敗をした時って、逆に、印象を良くするチャンスに変えることもできるんです。
そんな風に、ピンチをチャンスに変えるための画期的な方法とは・・・、
迷惑をかけた相手の気持ちを考えて、「相手の予想以上の対応をする」こと。
■クルマのリコールの例
クルマの販売にとって大きな失敗と言えるのがリコール。
リコールは、決して欠陥があるわけではなくて、「いったん回収して対策をしますよ」と言うこと。
クルマを買うって、高価な買い物だし、すごくワクワクすること。
選んでいるときのワクワク、納車されるときのワクワク、大切に乗っているときのワクワク。
でも、自分のクルマにリコールが出たのを知ると、「せっかく苦労して買ったのに、欠陥車かよ」と、ワクワク感は一気に吹き飛び、ケチがついた感じで激しくガッカリしてしまう。
■リコール対応が素晴らしかった例
ある自動車メーカーがリコールを出した。
普通、リコールの通知が届くと、客が自分でクルマをディーラーに持ち込み、対策を施された上で返却され、自分で家に運転して帰る。
でも、そのメーカーでは、客の都合を聞いて、必要であれば自宅まで受け取りに出向き、終了後に届けに行く。
そして、なんと・・・
燃料を満タンにして客の手元に返す対応を取った。
■相手の気持ちを考えること
この場合、迷惑をかけた客の気持ちをしっかりと理解して対応したことで、本来怒りの感情を抱くはずの客に、逆に、感謝や喜びの気持ちを抱かせてしまった。
まさに、ピンチをチャンスに変えてしまった例だと思う。
■こんな対応だとどう感じますか?
売ったクルマに欠陥が確認された。
客に通知を送って、持ち込まれた順に工場で対策を施す。
「もう、トラブルが出る可能性は100パーセントありませんので安心してください」
笑顔で客に車を返却する。
あなたはどう感じますか?
■肝心の気持ちの部分が抜けている
確かに、クルマと言う“物”は元の完璧な状態に戻った。
壊れる可能性のある部分を交換、修理して、新車と同じ状態に。
でも、それだけだと客の方はモヤモヤが残ってしまう。
だって、迷惑を被った“気持ち”の部分へのフォローがされていないから。
■“気持ち”の部分とは
じゃあ、具体的にどんなことなのか、見ていきましょう。
まずは、苦労して買った、大切にしていたクルマにケチが付いたことへの失望感。
「せっかく買ったのに、大切にしていたのに、欠陥車かよ・・・」
そして、リコール修理を申し込む手間。
「仕事が忙しいのに、日程を調整するの大変だよ・・・」
修理中にクルマを使えない不便さ。
「デートの予定だったのに、よりによって自慢のクルマを使えないのかよ・・・」
戻った後も残る不安感。
「部品は交換したって言ってたけど、本当に大丈夫なのかな・・・」
ざっと見て、客の“気持ち”の部分にこれだけの不安や負担をかけていることに気付けるかどうかが分かれ道になる。
そして、これだけの“気持ち”の部分にフォローをしないと、客のモヤモヤ感が怒りに変わるおそれがあるんです。
■予想できる対応と予想以上の対応
リコール修理で、客側が予想できる対応としては、
・自分の都合で修理の予定を入れられること。
・約束通りの日程で修理が終わること。
・車がきれいな状態で戻って来ること。
こんな感じで、基本的なことを抑えておけば、喜ばれはしないものの、怒りに触れることはないと思います。
で、ここで客側が予想している以上の対応をすれば、ピンチをチャンスに変えられるんです。
それが、さっき書いた燃料満タンでの返却だったわけ。
■怒りを抱いていると言うことは
失敗して怒らせてしまった相手には申し訳ないけれど・・・、
例えば、やらかした俺に対して怒りの感情を持っていると言うことは、俺の存在を気にしていること。
俺を気にしているってことは、上手くやれば俺のイメージを上げることもできる。
だって、俺の存在が気になっているから。
■予想以上の対応をされると嬉しい
人の気持ちって意外と単純。
イライラ怒っていたとしても、予想以上に嬉しい対応をされると、一気に気分が良くなってしまうもの。
だったら、これ、使わない手はないですよね。
■予想以上の対応をするためには
予想以上の対応をするためには、とにかく相手の気持ちを理解することが大切。
何に対してイライラしているのか、どれくらいの期間イライラしているのか、イライラの度合いはどのくらいなのか。
この段階では、チャンスに変えようとせず、相手に寄り添って、相手の辛さ、怒りに向き合う気持ちが必要。
そうしなければ、相手の本当の気持ちは理解できないから。
そして、真摯に相手の気持ちを理解しようとする姿勢には、少なくとも怒りの感情は湧かないと信じている。
相手の気持ちを理解したら、こんなことをされたら嬉しいじゃないかな、こんな対応なら驚くんじゃないかなと思うことをする。
当然、見返りは求めない。結果、「チャンスに変われば儲けもん」みたいな気持ちで。
■やらかした時にはチャンスに変える
冒頭に書いたとおり、人間に失敗はつきもの。
失敗をやらかした時に、「どうやってごまかそう・・・」じゃなくて、
「どうやってチャンスに変えよう」と考えることが大切。
やらかした事実はどうしたって変えられないんだから、コソコソしたり、クヨクヨしたりせずに、どうせだったらチャンスに変えてしまいましょう!
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